丼丸と海鮮丼、その歴史
これは 丼丸 Advent Calendar 2014 - Adventar の記事です。
丼丸の海鮮丼はとても美味しい。ドクターストップをかけられる人間がいるほどであり、一種の麻薬といっていいほどの魅力がある。
もちろん、この丼丸の海鮮丼が誕生するまでには紆余曲折があり、簡単にポンと登場したものではない。海鮮丼が生まれるまでには長いストーリーがあるのだ。
そこで今回は丼丸の海鮮丼がこの世に誕生するまでの話について簡単ではあるが紹介していきたいと思う。
137億年前 宇宙誕生
宇宙ができた。丼丸や海鮮丼の土台はこの頃には出来上がっていたと言える。
因果論的決定論に従うのであれば、この瞬間に海鮮丼やその構成要素である酢飯やマグロやイカ、そして丼丸の誕生は約束されていたのである。
ただしまだ4つの相互作用が分かれていないため、将来海鮮丼の元になるであろう原子すら存在していない。
宇宙誕生から0.0000000000001秒後頃 電弱相互作用と強い相互作用と重力相互作用が分離する
4つの相互作用が分かれ始めて、ヒッグス粒子やウィークボソンが誕生した。
これで海鮮丼を構成する分子を構成できるようになった。ただしまだ宇宙が約1
穣度(=1000兆×10兆度)くらいあるので原子は存在しない。
宇宙誕生から38万年後 原子ができる
宇宙の温度が下がってきたため、電子と原子核が結合して原子ができるようになった。
ただしまだ宇宙の温度は3000度くらいあるので海鮮丼をつくろうとしても一瞬で炭になると思われる。
129億年前 天の川銀河ができる
海鮮丼を作るためには魚介類が不可欠であり、そのためには生命が生まれなければならず、さらにそのためにアミノ酸類が必要である。ところが宇宙には水素しかないため、炭素や酸素、窒素、鉄などの元素がまだ存在しない。
そのため主に水素が集まって、海鮮丼の原料を生成するために恒星を作り、核融合を開始しはじめた。
我々は普段意識していないが、海鮮丼を生むためには莫大なエネルギーが必要なのだ。
46億年前 太陽が形成され始める
恵みの太陽。海鮮丼を作るための主なエネルギーの供給源はこの太陽である。
炭素や窒素は恒星の核で作られることを考えると、海鮮丼を食べることは星屑を食べることと同じなんだ、きっと。ロマンチックな食べ物である。
45億年前 地球ができる
光があたってるだけの岩作るのに1億年とかずいぶんのんびりしている。
同時に月もできた。月ができなかったら潮の干満がなかったので地球の生態系、ひいては海鮮丼の姿も変わっていたであろう。
27億年前 地球に磁気圏が形成される
地球の核が強い磁気を出すようになり、太陽風を遮るようになった。
まだ紫外線はかなりたくさん降り注いでいるものの、これによって将来の海鮮丼の具を陽子や電子から守ることができるようになった。言うなれば海鮮丼の蓋のようなものである。
海鮮丼のためにこの宇宙の物理法則がうまく働いているといえる。
9億年前 有性生殖が可能に
これによって多様な進化が可能になった。
海鮮丼の具が豊富なのも有性生殖による効率的な進化を促せるようになったためである。
これも海鮮丼の歴史におけるブレークスルーのひとつといって良いだろう。
ただしこいつら(多細胞生物)もまだ食べられないし、おそらく美味しくない。万が一食中毒でも起こったら事である。
なお、私が好きなネタはエビとアジである。
5億年前 いろいろできた(カンブリア紀)
詳細は省くがいろんな生き物が登場した(カンブリア爆発)。
まだサンゴとか三葉虫とか藻とかまずそうなのしかないが、脊椎動物であるミロクンミンギアというキモいヒルみたいな奴が誕生。一応コイツが最初の魚類であるが海鮮丼の具には不適である。彩りも最悪であろう。
4億年前 まともな魚類登場(シルル紀)
この頃昆虫も出現したらしいが海鮮丼の具になりえないため省略する。
動物は陸に上がっていないが、ウロコのある魚類なども誕生したので下地は揃った。
ただし稲はまだ存在していないので酢飯が作れないしそもそも丼丸も存在していない。
2億2500万年前 哺乳類登場(三畳紀)
海鮮丼そのものの本筋からは外れるかもしれないが、この初期の哺乳類が進化してヒトとなり、海鮮丼や丼丸を作ったことを考えると歴史上重要なイベントである。
ジュラ紀や白亜紀の頃は恐竜が闊歩していたため海鮮丼作成にはリスクが大きすぎ、この後しばらくは海鮮丼開発の歴史は停滞する。
6400万年前 恐竜が絶滅(白亜紀)
我が物顔で陸海空を制覇していた恐竜がいなくなり、残った哺乳類と魚類は海鮮丼開発に邁進することになる。
もちろん哺乳類と魚類もただ指をくわえていただけではなく、順当に進化し、いつかくる海鮮丼チャンスを今か今かと待っていたのである。
180万年前 原人誕生
ようやく直立歩行できるようになった。手が使えないと海鮮丼が作れないため、二足歩行は海鮮丼にとっても重要なファクタである。
50万年前頃には火を使えるようになっているが、海鮮丼は火を使わなくても作れるのであまり重要ではない。
30万年前 ホモ・サピエンス誕生
魚類が誕生してから時間がかかりすぎである。
この頃には稲や山葵も自生しているはずなので、これで海鮮丼を作るためのピースはすべて揃ったと思われる。
1万年前 稲作開始
気づくのが遅すぎる。29万年間なにしてたんだ。私が面接官だったら確実に落とすレベルの空白期間の長さである。
7000年前 酢、開発
バビロニアのあたりで開発された。
地味だが海鮮丼を語る上で極めて重要な存在であるが、まだ人類は海鮮丼の可能性に気づいていない。
300年頃 酢が日本に伝わる
この頃はまだ酢漬け程度にしか使われていない。酢飯を開発した人は偉大である。
685年頃 わさび発見
なぜこんなものを食べようと思ったのか理解に苦しむが、これがないと海鮮丼の魅力は落ちてしまう。それにしても紀元後から急速に色々なものが出揃ってきており、収穫加速の法則を感じられずに入られない。海鮮丼に関するムーアの法則が存在しているのだろうか。
700年頃 醤油発明
諸説あるが、この頃に醤油の原型になるものが誕生している。ただし、今で言う醤油が日本に浸透したのは1500年ころである。
1709年 割り箸発明
あの品質の悪い割り箸も丼丸の海鮮丼を構成する一つの重要な要素である。
なお私は会社に常備されている竹箸を利用している。
1820年頃 寿司、海鮮丼発明
やっときた。今まで何してたんだ、137億年もかけるな。
1835年 プラスチックの発明
丼丸のポリスチレン製の容器を作るために不可欠な技術である。寿司とプラスチックの発明時期が15年しか変わらないのに驚く。
プラスチックの発明が早いのか寿司の発明が遅いのかよくわからない。
1979年8月10日 笹舟1号店(株式会社ササフネ)誕生
めでたい。末永く頑張って欲しい。
ただしこの時点では寿司店であって海鮮丼は作っていないし丼丸も存在しない。
1987年4月4日 筆者誕生
この頃には海鮮丼という魅惑の存在を知らなかった。そのほうがよかったかもしれない。
2007年 丼丸1号店誕生
とうとう我らの丼丸が登場。
2012年 丼丸と出会う
会社の社長が病的なまでに勧めてくるため食べたところ非常に美味しくコスパもよいためハマる。
なお社長は海鮮丼の食べ過ぎで医師から魚介類を控えるように警告されている模様。
「なぜなにもないのではなく、なにかがあるのか」という哲学の問題があるが、以上のストーリーを鑑みると、その答えのひとつは「丼丸、そして海鮮丼を生み出すため」といっても過言ではない。
宇宙があって海鮮丼があるのではなく、海鮮丼があるがゆえに宇宙が存在するのかもしれない。